2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

浮舟

源氏塗絵20枚目。 「匂の宮は無理に機会を作って宇治を訪れた。今度は家来の時方に手配させた川向こうの家に浮舟を連れ出す計画である。宮が浮舟を抱いて舟に乗ると、浮舟は心細さに宮に寄り添って来る。船頭が橋の小島で舟をとめたので、宮と浮舟は末永い契…

橋姫

源氏塗絵19枚目。 「宇治山の阿闍梨から八の宮の噂を聞き、宮の高徳に魅せられた薫は、以後しばしば宇治の八の宮を訪ねるようになる。ある秋の末、八の宮が四季の念仏のために山寺に籠っている間、薫は久しぶりに宇治を訪れた。馬で木幡山を越えて行く薫に、…

鈴虫

源氏塗絵18枚目。 「源氏が冷泉院を退出して秋好中宮のもとを訪ねると、中宮は母六条御息所のことなどを話し出されて、それとなく尼になりたい気持をお伝えになる。源氏は中宮の志を諌めつつも、その気持をもっともなことと思い、改めて亡き御息所の罪障を軽…

若菜上

源氏塗絵17枚目。 「三月のうららかな日、六条院では若君達が蹴鞠を楽しんでいた。女三の宮が御簾のそばでそれを見ておられると、偶然小さな唐猫が走り出た拍子に、猫の綱で御簾が引き開けられてしまった。女三の宮の気高く可憐な姿を見た柏木は、いっそう恋…

梅枝

源氏塗絵16枚目。 「源氏は六条院の女君たちにも薫物の調合を依頼していたが、螢兵部卿の宮が来られたのを機に、それらを試みに焚いてみることになった。源氏自身の二種の薫物も、壺に入れて遣水の際に埋めておいたのを掘り出して来る。薫物の判定を頼まれた…