2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

槙柱

源氏塗絵15枚目。 「玉鬘を得た髭黒の大将は、北の方の嘆きもよそに新しい妻を熱愛した。今夜も玉鬘のもとを訪れようと外出の用意をしていると、北の方も夫の外出の衣装に香を焚きしめたりしていたが、急に錯乱していきなり夫に火取りの灰をうちかけた。髭黒…

藤袴

源氏塗絵14枚目。 「玉鬘が大宮の喪に服していると、そこへ夕霧が源氏の使者として来訪した。夕霧は今まで姉として玉鬘に好意を寄せてきたが、そうでないことを知った今は平静ではいられなくなっている。夕霧は手に持った藤袴(蘭)をさし出し、玉鬘の袖を引…

野分

源氏塗絵13枚目。 「秋の強風が吹き荒れたあと、源氏は秋好中宮を見舞ってから明石の上のもとを訪れる。ここは頼りになる家司もおらず、童女たちが庭の草花を整えていた。部屋の中では明石の上が几帳の陰でもの悲しげに箏の琴を弾いていたが、源氏の来訪に気…