恋ふ

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9日に「奇に花薫る」展に伺うのですが、その時に持って行くミニ原画です。

永井路子先生の小説「この世をば」の源明子がモデルです。

皇族の家系なので浮世離れしていますが、父親の失脚により孤独な人生を送っている中で藤原道長の第二夫人となりました。

そんな彼女の何ともいえない魅力を描きたかったのですが、絵自体よりもタイトルがなかなか決まりませんでした。

そんな中、中西進先生の「万葉の秀歌」を読んでいたら、『「恋ふ」は愛の欠落状態にある苦しさ』という言葉に出会いまして、これだー!と思ってタイトルに使わせて頂きました。

ちなみにこの解説が出てくる歌は、大伴坂上郎女の「恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば」です。

「嘘でもいいから私を喜ばせる言葉を尽くしてほしい」という意味のこの歌も明子にぴったりだと思います。

...実は明子明子と散々語ってますが、ブログ執筆前にいろんなSNSに投稿した際は「藤原明子」と書いていました。

結婚したから名字が変わったと思っていたんですが、同姓同名の方がいらっしゃったんですね...